ゲームプレイのキャリブレーション
再調整、チューンアップ、機能の改善
MASS EFFECT™ LEGENDARY EDITION
皆さん、ようこそ!
去年のN7デーに「Mass Effect™ Legendary Edition」のアナウンスを行い、最初の情報を公開してからというもの、皆さんから寄せられる情熱と期待に満ちた声に感動を覚えています。そこで今回は、このリマスターでは何が楽しめるかについてさらに詳しく説明したいと思います。ゲームプレイのチューニングやバランスの再調整など、「Legendary Edition」の最新情報をたっぷりとご覧ください。来週には、三部作全体の視覚的な変化に焦点を当て、リマスタリングのプロセスをさらに詳しく紹介する予定です。
説明しましょう。この記事には以下の内容が含まれます。
「幸運などいらん—俺には弾丸がある」
戦闘の調整
シリーズを通じて絶えず進化してきた「Mass Effect」三部作の戦闘ですが、各作品のプレイ感覚は異なっています。私たちは全体的なエクスペリエンスの向上を目指す一方で、ファンが愛してくれた各作品の要素に不要な変更を行いたくないと考えました。これはユニークな課題といえるでしょう。なぜなら、第一作はゲームプレイと戦闘の面で、第二作や第三作と大きく異なるからです。「Mass Effect」は、ダイスロールのランダム性やペンと紙によるスタッツ構成といった昔ながらのRPGシステムに大きく影響を受けています。その結果、「Mass Effect」の武器は、「Mass Effect 2」や「Mass Effect 3」のガンプレイよりも精密性や信頼性に欠けると感じられる場面が多くありました。
なお、アサルトライフルを数発連射すると、レティクルがいきなり画面に大きく広がるのは非常にストレスが溜まるという声が継続して寄せられていたため、私たちはオリジナル作品の意図を完全に損なわない範囲でシステムのチューニングを行っています。
初代の「Mass Effect」に対しては、(レティクルの拡大や武器の揺れを含む)すべての武器の精密性を調整し、プレイヤーが射撃/過熱メーターを管理しながら、より一貫した火力を維持できるよう変更を行いました。また、エイムダウンサイト(ADS)のカメラがよりタイトになるよう改善し、(第二作や第三作と同様)ADSがより精密に行えるようにするとともに、さらに正確性が向上するよう、エイムアシストの改善も行いました。こうした小規模で細かな変更点があることにより、戦闘がはるかに「スムーズ」になり、より多くのコントロールがプレイヤーの手に委ねられるようになっています。
さらに、第一作のアビリティにもバランスの再調整を行いました。例として、「イミュニティ」のアビリティには、無限に続く少量のバフの代わりに、短時間発生する強力な防御の増加効果を付与しています。
以下のリストは、第二作と第三作とさらに一致させることを目的として、特に初代「Mass Effect」に対して行った変更の概要です。
- シェパードが戦闘以外の場面でもダッシュできるようになりました
- 近接攻撃は敵との距離に基づいて自動で発生するのではなく、ボタンに割り当てられました
- 武器の精密性や取り回しが劇的に改善されました
- レティクルの拡大が控えめになりました
- スナイパー ライフルから武器の揺れが削除されました
- エイムダウンサイト/「正確に照準を合わせる」のカメラが改良されました
- 目標補足のエイムアシストが改善されました
- 第一作の関連する敵すべてがヘッドショットダメージを受けるようになりました
- (以前は人型の敵を含む一部で発生しなかった要素)
- 弾薬関連のモジュール(対生物、対機械生命体など)がゲーム全体でドロップするようになりました
- (以前は上位のプレイヤーレベルでは発生しなかった要素)
- また、これらは商人から購入することもできます
- すべての武器を全クラスでペナルティなしに使用できるようになりました
- なお、スペシャライゼーション(特定の強化/アップグレードをする機能)は以前と同じくクラスに依存します
- 武器のクールダウンがより速くなりました
- メディ ジェルの仕様が改善されました
- 基礎クールダウンが短縮されました
- レベルアップのボーナスが増加しました
- リアラのクールダウンに対するボーナスが増加しました
- インベントリーの管理機能が改善されました
- アイテムを「ジャンク」としてフラグ付けできるようになりました
- すべてのジャンクアイテムは、オムニ ジェルに変換するか、商人に売却することができます
- インベントリーとストアにソート機能がつきました
- 一部のアビリティにバランスの再調整が施されました
- 武器の能力(それぞれの武器タイプのスキルツリーでロックできるもの)が改良されました:
- 効果/強さが増加しました(一部のケースでは持続時間が増加)
- 熱がパワーの起動時にリセットされるようになりました
「もしこれが戦争だとしたら、軍が必要だ…もしくは本当にいいチームがな」
その他ゲームプレイの改善
全般的なガンプレイのほかに、エンカウントや敵のシステム、そして戦闘の形式についても特定の変更を行っています。私たちは、第一作を第二作や第三作と同じラインに立たせるためのポイントをいくつか見つけるとともに、三部作全体で使われているシステムに一部調整を加える余地があることにも気づきました。
新規プレイヤーに対するネタバレをあまりしない範囲で説明するならば、ノヴェリアでのボスとの遭遇はその一例といえるでしょう。ボスの部屋にかすかな手直しがくわえられ、かつての感覚を残したまま、狭さが解消されています。また、バイオティック能力によって振り回される可能性が格段に低くなりました。
以下はそのほかに追加された戦闘に関するアップデートの概要です。
- 初代の「Mass Effect」で、部隊メンバーに別々の指示ができるようになりました。これは「Mass Effect 2」や「Mass Effect 3」で各メンバーに対して個別の命令ができたのと同様です
- 第一作に出てくるボス戦闘や敵の一部がプレイヤーにとってフェアになりつつ、やりごたえが感じられるよう微調整されました
- 三部作全体の物陰に隠れる動作が改善されました
- 一部の戦闘に遮蔽物が追加されました
- 遮蔽物に出入りする動作がより安定したものになりました
- 第一作のXPに再調整が加えられました(詳しくは以下を参照)
- 「Mass Effect 2」の弾薬のドロップ率が再調整されました(詳しくは以下を参照)
戦闘といえば、XPにも変更が必要です。第一作のXPには、特にゲーム終盤に向かってより安定して獲得できるようになるよう、バランスの再調整が行われています。ゲームに出てくる大部分の要素をクリアしたプレイヤーならば、2周目のプレイをしなくても、1周目のプレイでより確実に上位のレベルに到達できるはずです。さらに、1周目のプレイに設定されていたレベル上限はもうありません。
ガンプレイに関する最後の変更として、「Mass Effect 2」の弾薬についても微調整を行いました。オリジナル版では弾薬のスポーンが少なすぎることがわかったため、「ME2」における弾薬のドロップ率を増加させ、特にオリジナル版ではドロップ率の低かったスナイパー ライフルを使う際に役立つよう変更を行っています。
「あれには心があるんだ。わかるだろ?」
Makoについて
当然ながら、名高い(もとい悪名高い)M-35 Makoについても語らなくてはなりません。「Mass Effect」第一作から登場するこの伝説のマシンには「再調整」が施され、かつてないほど良好な動作をするようになっています。オリジナル版では、Makoに割り当てられた物理の設定により、車体があまりに軽く跳ねやすく感じられ、ときには制御不能になる場面もありましたが、本作では以前と同じ「愛嬌」を残しつつも格段にスムースに動かせるようになっています。(そう、以前と同じく思う存分に崖からジャンプさせることも可能です)
また、シールドの高速なリチャージや新しい後部スラスターが追加されるなど、機能面でも改善を行っているため、垂直に近い崖の側面を登りたいときにスピードブーストを使用するなども可能になっています。(誰でもやってみたくなるものです)ブーストのリチャージは車体の下部に装備されたジャンプ ジェットとは別になっているので、両方を同時に使うことも別々に使うこともできます。
以下はMakoの操作に加えられた修正の概要です。
- ハンドリングが改善されました
- より「重量感」が感じられ、滑りにくくなるよう、物理の設定が改善されました
- カメラの操作が改善されました
- Makoが低い角度に向かって精確な狙いをつけられなくなる問題を解消しました
- シールドのリチャージがより速くなりました
- スピードブースト用に新しいスラスターが追加されました
- ジャンプ ジェットとはクールダウンが別々になります
- Makoの中にいる際のXPペナルティーが削除されました
- 溶岩に触れると、即ミッション失敗になるのではなく、時間経過とともにダメージを受けるようになりました。
「それで、シェパードはどうだ?」
三部作の統一 & 最新化について
「Legendary Edition」における私たちの目標は、三部作のチューンアップを通じて、それぞれのユニークさを尊重しつつも、各作品をより調和のとれたものにすることです。
例えば、キャラクタークリエイターにおけるシェパードのカスタマイズには統一が施され、追加の肌のトーンや髪形などの新しい選択肢が追加されています。なお、三部作を通じてキャラクタークリエイター共通のコード(以下の画像の左下を参照)を使用することもできます。つまり、三部作全体で一貫した外見のシェパードを操作するのも、各タイトルの開始時に外見を変更するのも可能なわけです。また、テクスチャーと髪のモデリングの更新にともなって、カスタマイズの選択肢やキャラクターの外見にも改良が行われています。
さらに、任意の要素として、「Mass Effect 2」と「Mass Effect 3」の前のベースエクスペリエンスにDark Horse Comicsが手掛けた「Mass Effect:Genesis」のコミックスが追加され、プレイヤーはこれを通じてどの作品からプレイを開始しても、過去作で行われた選択肢を選べるようになっています。
もちろん、「Legendary Edition」にはほかにも様々な追加要素が用意されています。以下は新しく楽しめる要素の概要です。
- 全三部作のランチャーが新しく統一されます
- 字幕と言語の設定を三部作共通で行えます
- セーブデータは以前と同じく各タイトル固有のものであり、別々に管理できます
- 上述のとおり、キャラクタークリエイターの選択肢が更新されます
- 「Mass Effect 3」の女性シェパードが新しく全三部作の女性主人公として、デフォルトのオプションになります(オリジナル版の女性シェパードのデザインもプリセットのオプションに用意されています)
- 三部作全体の実績/トロフィーが更新されます
- 三部作に新しい実績/トロフィーが追加されます
- 一部の実績/トロフィーの進行状況が三部作全体で引き継がれます(例: 三部作全体で250体の敵を倒すなど)
- 実績/トロフィーがまとめられ、不要なものが削除されます
- 実績/トロフィーの目的や説明、名前が多数更新されます
- 武器およびアーマーのDLCパックが統合されます
- 武器およびアーマーのDLCパックがゲームに自然な形で統合されています。これらは、最初からアンロックできるのではなく、ゲームを進めるにつれて商人からの購入や探索により入手可能です。これにより、「ME2」と「ME3」における全体的なバランスと進行が向上します
- Recon Hood(「ME2」)とCerberus Ajax Armor(「ME3」)は、いずれも各作品のスタート時から入手可能です
- そのほかのゲームプレイ & 快適性の改善
- 三部作全体の音声がリミックスされ、改良されます
- オリジナル版のリリース時からあった既存のバグが修正されます
- PC版はコントローラーおよび21:9のワイドスクリーンに対応。DirectX 11互換
「君を復帰させる、少佐」
銀河戦争のバランスの再調整
シェパード少佐であるプレイヤーには、何よりも困難な任務が課せられています:そう、リーパーを撃退して銀河を滅亡から救うことです。銀河の団結といえば、「Mass Effect 3」が頭に浮かびますが、誰がこちらの味方に付くかは全三部作を通じたプレイヤーの選択に左右されることを忘れてはなりません。「銀河戦争」の機能により、主人公はリーパー戦争の中心に置かれ、ノルマンディーの戦闘指揮所からこの行方を見守るわけですが、こちらも「Legendary Edition」でバランスの再調整が行われています。例えば、「ME3」用に用意されていたマルチプレイヤーやかつてのコンパニオンアプリなど、コレクションに含まれない外的要因が銀河の戦闘準備の進捗に影響しなくなりました。しかし、これによりリーパーの打倒が簡単になるとは限りません。
なぜなら、三部作全体で各要素をクリアすればするほど、最終決戦に向けての準備が整うようになっているからです。「Mass Effect 3」のみをプレイしている場合、銀河系に大規模な損害がもたらされない結末にたどりつくには、ゲーム内に用意されたほぼすべての選択肢を実行する必要があります。リーパー戦争の終盤でよい結果を得るために最も確実な方法は、第一作と第二作をプレイして、進行データを引き継いでおくことです。参考までに、オリジナル版の「ME3」を(銀河の戦闘準備の進捗におけるバランスの再調整を含んでいた)「Extended Cut」と一緒にプレイしていた場合と比較すると、「Legendary Edition」で最終決戦に完璧に備えるのはさらに難しくなっています。そして、こちらについても話しておかなくてはなりません:「Extended Cut」のエンディングが本作におけるデフォルトの結末となります。
ただし、「ME2」のパラゴン/レネゲイドシステムにおける重大なバグ修正とバックエンドの改善が多数行われたため、銀河系連合軍の準備を整えるのはやや容易になっています。こちらでは、正確な名声スタッツの表示を妨げ、特定のダイアログ選択肢を利用不可能にしていた従来の問題を複数解決することができました。このため、「ME2」で達成するのが難しいことで有名だった(そして「ME3」にも影響を及ぼしていた)重要なイベントをより確実に完了でき、ストーリーの最終章でよりよい結果に導かれます。
「いわゆる、昔のよしみでさ」
「Mass Effect」シリーズ、そして今年25周年を迎える私たちのルーツに立ち返ることは、私たちにとって信じられないほどノスタルジックで感動的な経験でした。この想いは、皆さんの元に「Legendary Edition」をお届けできたとき、数多くの方に共感していただけるはずです!以前より、本シリーズの三部作を今プレイできるようにしてほしいという要望の声がたくさんの新規プレイヤーの皆さん(…そして往年のファンの皆さん!)から寄せられていました。何度プレイしたかを数える必要なんてありません。
私たちのチームの面々が十年以上前に創り上げた作品を再体験してみたとき、すべてが始まった場所に戻るのは少し現実離れした感覚がしたものの、これは私たちのやるべきことであり、長きにわたる皆さんからの素晴らしい応援に対する感謝とあふれる情熱を込めて取り組むべき仕事だと感じられました。(それに次の作品が出るまでの日々を過ごす助けになるかもしれません!) なお、皆さんへのニュースはこれだけではありません。今回実現された視覚的な変化については後日詳しくご紹介しますので、そちらも楽しみにお待ちください。また、IGNのスタッフがパフォーマンスレビューを作成してくれていますので、リマスターに関する情報をさらに知りたい方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?
多くのリクエストを寄せてくださった皆さんにも感謝を捧げます。皆さんのおかげで本作は実現しました。皆さんの想いに深く感謝しています。
「Mass Effect」開発チーム一同より、
それでは幸運を、少佐殿!
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